突拍子もないタイトルに思わずツッコミを入れてしまった……。
〜第四話〜
・2つめ・
さてと。気を取り直してジムに挑戦しようか。
"試し岩"の草むらでレベルアップを重ね、ミズノ、ペローテ、チョコロネ、ゴロロロは進化して一段と逞しくなった。今こそ2つ目のジムバッジを手に入れる時!……それにしても、
サナ「ジムはどこ!?」
街の中で雰囲気の違う建物があるけど、ここ博物館だし。
サナ「まいいや。入ってみよう。」
入口の前に差し掛かったその時だった。
サナ「わっ!」
誰かとぶつかった。
サナ「すっ、すみませんでした!」
頭を下げて謝ると、その人は、
???「やあ、きみか。」
と言った。不思議に思い姿勢を戻してみるけれど、彼の顔には覚えがない。
???「ボクだよ。忘れたのかい?ホラ、カラクサタウンでの、ゲーチスの演説の後さ。」
サナ「ん〜?」

サナ「あーっ!!アンタ、あの時のヘンタイ!」
N「ヘンタイとは失敬な……。いいかい?ボクは……ダレにも見えないものが見たいんだ。ボールの中のポケモンたちの理想。トレーナーというあり方の真実。そしてポケモンが完全となった未来……。」
サナ「ポケモンが完全にって、どういうこと?」
N「今はまだ分からなくてもその内分かるさ。どうだい、キミも見たいだろう?」
サナ「私は、今のこの子たちが好き。もしその完全なものになってこの子たちが今と変わってしまうなら、私はそんなの見たくない!」
N「……ふうん、期待外れだな。それよりもボクとボクのトモダチで未来を見ることが出来るか、キミで確かめさせてもらうよ。」
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N「まだ未来は見えない。まだ決まってない。」
サナ「はぁ、はぁ……。わけ、わかんない。」
いきなりのポケモン勝負。もちろん、敗けはしなかった。だけどなんだろう?コイツのポケモンたちはなぜか、どこか不気味な感じがした。
N「今のボクのトモダチとでは、ポケモンを救い出せない……。」
サナ「え?」
N「世界を変えるための数式は解けない……。ボクには力が必要だ……。ダレもが納得する力……。」
サナ「ちょ……、アンタ!」
立ち去るソイツに嫌な予感を覚えて、無意識の間に叫んだ。すると背を向けたまま、こう言った。それは私にではなく、独り言のように。
N「……必要な力は分かっている。……英雄と共にこのイッシュ地方を創った伝説のポケモン、レシラム!」
サナ「レシラム?」
N「ボクは英雄になり、キミとトモダチになる!」
なに、なんなの?前回も今回も有無を言わさずポケモン勝負だなんて。おまけに、ポケモンを救い出す?まるでプラズマ団みたいなこと言うじゃない。
サナ「あーヤダヤダ。そんなの野生のプラズマ団だけで十分だってのに、ヘンタイトレーナーまで増えたらたまんないわ。」
なんだか、どっと疲れた。
サナ「やれやれさてと。中に入ろう。」
ん?
【シッポウ博物館・シッポウシティジムは入って奥】
入口横の標札にそう書かれていた。
サナ「…………。」
ここか!!
中に入るとキダチという男の人に博物館を案内された。ただの学芸員かと思えば、なんとジムリーダーの旦那さんだという。なるほど。ナチュラル ボーン ママという肩書きの由来が分かった気がする。
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図書館の蔵書リレーの先に、待ち控えるはジムリーダーのアロエさん!
レベルはほぼ互角のいい勝負。でも負けない。負けられない!
サナ「ミズノ、シェルブレード!」
ミズノ「フテャー!!」
アロエ「ミルホッグ!」
アロエさんのミルホッグは倒れた。勝った。勝った!
サナ「やったー!」
ミズノのもとへ駆け、抱きしめる。
サナ「勝ったよ、やったよミズノ!」
もちろんミズノだけの力じゃない。みんなががんばってくれたおかげでアロエさんに勝つことができた。
アロエ「おやおや。まだ2つ目だろう?まるで最後のバッジみたいに喜んじまって。」
サナ「あ……、いえ。この街に来る前にちょっと色々あって。今回はどうしても、この子たちのために勝ちたかったんです。」
アロエ「そうかい。それじゃ、これは大事な戦利品ってわけだね。」
アロエさんが私の手を取り、その上にバッジを乗せた。
アロエ「ベーシックバッジ。シッポウシティジム勝利の証だよ。」
サナ「ありがとうございます!」

それはとてもシンプルなデザインだった。だけど、手のひらに乗ったその小さなバッジは、とても重たく感じた。
キダチ「ママー!」
その時、突然キダチさんが大慌てで飛び込んできた。
アロエ「どうしたんだい?」
キダチ「いま、博物館の方にプラズマ団とかいう連中がやって来て……!」
サナ「プラズマ団!?」
キダチ「それで、ドラゴンの骨を頂くって言うんだよ!」
アロエ「なんだって!?」
キダチ「急いで!」
アロエ「サナ、あんたも来ておくれ!」
サナ「はいっ!」
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したっぱ「来たなジムリーダー。」
したっぱ「俺達が本気だってことを分からせるために、あえてお前の前で奪ってやる。やれ!煙幕だ!」
その号令と共に、白い煙が博物館の中に充満した。
サナ「何も見えない!」
アロエ「落ち着くんだよ!天窓開放!空調システムも最大出力で稼働しな!」

するとみるみる内に煙が晴れ、視界も元に戻った。しかし、
サナ「化石が!」
ホール正面に展示されていたドラゴンポケモンの化石。その頭部が無くなり、胴体だけになっていた。
アロエ「なんてこったい!」
すぐさま外へ飛び出すアロエさん。私も後に続いた。
他人のポケモンの次は博物館の展示物?ますます分からない。ポケモンを解放するっていうアイツらの目的……、何か関係があるの?
to Be continued
今回、写真を後半にもう少し入れる予定だったんですが、デジカメがまさかのバッテリー切れ、、、予備バッテリーは紛失中、、、てなわけで撮影できずです。すんません。後日追加アップします。 -->10月24日、2枚追加アップしました。
アロエさんのキャラは秋雲的に、『ラピュタ』のドーラのイメージが定着しています。ママだけに。なので煙幕ふきとばす時のアレはそのノリで。(笑)
ちなみにサナの手持ちポケモンのなかでミジュマル改めフタチマルことミズノだけが科白持ちで出番増えそうな予感。
とりあえずスタメン候補は既に挙がっていて、『ブラック』側の3匹体制のようにはならないようにバランスよくいくつもりです。『ブラック』はもうとにかくレベルを上げまくって、ゴリ押しで四天王倒す作戦でいます。3匹で。
『ホワイト』でのメンバーはストーリーを追うごとに描いていきたいと思うので、前もっては書きません。おたのしみに。
それでは、今日はこの辺で。
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