2010年12月09日

ヒウンの雲は空に高く

〜第七話〜
・ベルの涙・


サナ「ここがヒウンシティか〜。」
間近で見ると一際大きいなあー。こんなビル初めて見たや。港もいっぱいあるし。そういや、さっき渡った橋の下、船が通ってたなぁ。





サナ「ふい〜。つい堪能してしまった。」
街を歩いている内に路地裏で技マシンをもらったり、ダンサーのメンバー探し手伝わされたり。そんなこんなしている内に街のすみずみまで廻った私は、ただいま噴水広場で休憩中。噴水の向こうではさっきのダンサー3人がまだ踊っている。
サナ「うん、このヒウンアイスなかなかおいしいわ。」
さっきもミックスオレ買ったら当たりが出たし、そろそろジムに行こうかな。
サナ「っと、その前にポケモンセンターか。」
ダンサー「おや、もう行くのかい?」
サナ「うん。ダンスがんばれ〜。」
ダンサー「オーケー、ブラザーの検討を祈ってるZE!」
サナ「ブラザーはやめてよ……。」


ポケモンセンターを出たところで、ライブキャスターが鳴っているのに気付いた。
サナ「ベルだ。やほー、どしたの?」
ベル「……サナ、どうしよう。」
サナ「ベル?」
震えるベルの声。目には涙が浮かんでいた。何があったんだろう。
ベル「あたしのムンナ……。プラズマ団にとられちゃったぁ。」
サナ「えっ!!」
ベル「どうしよう。どうしよう……。あたし、トレーナーなのに、ムンちゃんとられちゃったよう。」
サナ「ベル!いまどこにいるの!?」
ベル「えと、港……。黒い船が停まってるの。」
それならさっき見た。ここから少し西の波止場だ。
サナ「すぐにそっち行くから、動かないで待ってて!」


サナ「ベル!」
と、アーティさんもいる。それに、子供?
アーティ「やぁ、サナくん。」
サナ「どうも。ベル、あんたは大丈夫なの?」
ベル「うん。あたしは大丈夫。でも……、ふええええん。トレーナーなのに、自分のポケモンを守ってあげられなかったぁ!」
泣き出しその場に崩れたベルを抱きしめる。
サナ「ベル……。」
落ち着け、私。まず、優先すべきは。
サナ「アイツらはどこに行ったの?」
???「それが、わたしおねーちゃんの悲鳴聞いてすぐにそのヘンなヤツらの後を追ったんだけど、逃げ足が速い上にこの街広くって!見失っちゃったの!」
ベルの横にいた色黒な女の子が悔しそうに地団駄を踏んだ。
アーティ「アイリス、キミはキミに出来ることをしたんだ。落ち度はないよ。」
アイリス「でもダメなんだもん!人のポケモン盗っちゃダメなんだよ!ポケモンとひとは一緒にいるのがステキなんだもん!お互い無いものを出し合って支え合うのが一番だもん!」
この子の、アイリスの言う通りだ。だからこそだ。
サナ「アーティさん、みんなで手分けして探しましょう!」
アーティ「うん。そうしたいのはモチロン山々なんだけどねえ。なんたってこの広い街の中でこの子のムンナを持ったプラズマ団一人を探し出すのは、まさに雲を掴むような話だからね。何か手掛かりがないと。」
サナ「だからって、このまま手をこまねいている訳にはいかないです!」
アーティ「気持ちは分かるけどね。」
サナ「もういいです!私ひとりだけでも探し出します!」
ベル「待ってサナ!」
立ち上がろうとした私を、ベルが服を掴み引き止めた。
ベル「待って。」
赤く腫れた目を私に向けながら言った。
ベル「ムンちゃんとられたのはあたしのせいだから。あたしが探さなきゃ。サナはサナの旅を続けてて。あ、ホラ、アーティさんジムリーダーだし、ジム戦がんばってよ!」
サナ「こんのバカー!!
埠頭から海の向こうに届く程の大声で叫んだ。
ベル「サ、サナ?」
アイリス「すご……。」
サナ「アンタ、次にそんなバカなこと口にしたら絶交だかんね!確かに今回のことはベルに不注意があったかもしれない。けど、今までだって失敗したらお互いでカバーし合ってきたじゃない!私たち幼なじみでしょ?」
ベル「サナ……。うん。ごめんなさい。ありがとう!」
アイリス「うん。うまくまとまったところで、みんなでヘンなヤツらを探しに行こぉう!」
ベル「あ、でもでもどうやって?」
アイリス「う……、それが問題だったよ。この街ホント広いんだから!おまけに人も多いんだよ!」
サナ「だったら、逆にそれを利用しよう。これだけの人がいる中で誰にも見られずに逃げ切るなんて無理でしょ?」
それに、あちこち歩き回ったお陰でこの街に知り合いがたくさんできた。この人脈を使わない手はない。
アイリス「おねーちゃん頭いい!」
サナ「へへーん。」
アーティ「よし、そういうことならボクも力になれそうだ。」
サナ「期待しなくてもいいですか?」


ダンサーから連絡があったのは、それからすぐのことだった。
ダンサー「HEY! ブラザー!ユーの言ってた青服のグループを見つけたYO!」
サナ「ブラザー言うな。」
で、ジムの前のビルとはね。
アーティ「う〜ん、まさに灯台もと暗しだね。」
サナ「アンタもう喋らないで。」
アーティ「………。」
このジムリーダー、結局大して役に立ちゃしない。
アイリス「おねーちゃん!」
サナ「ベル、アイリス!」
アイリス「また迷っちゃった。やっぱライブキャスターで道案内されても分かんないや。」
サナ「アイリスって方向音痴?」
アイリス「違うもん!ちょっと空間把握が苦手なだけだもん!」
ベル「それが方向音痴って言うんじゃ……。」
アイリス「んも〜!とにかくちゃっちゃっと早く中に入る!」
サナ「おう!」
待ってなさいプラズマ団!私の親友を泣かせた罪は重いんだから!!



〜予告〜
ゲーチス「やあジムリーダー。思ったよりも早かったな。」
アーティ「この子のポケモンは返してもらうよ。さもなくば!」
ゲーチス「ほう!私を脅迫なさるおつもりか。」
アーティ「ポケモン泥棒には出るとこ出てもらわないとね。」
ゲーチス「ならばお相手しましょう。この世界はわたしの、いえ、プラズマ団のものなのですから!」
アーティ「まだ違う!」

ヒウンシティで、プラズマ団との決闘が遂に始まる!
親友を傷つけられたサナの怒り。ベルの決意。そして謎の少女、アイリスの正体とは!
サナ「さあ、もう逃がさないわ。アンタらのそのくっだらない夢物語、走馬灯させるヒマもなく打ち砕いてあげる!」


次回、「己が罪を数えよ!」(嘘)



乞うご期待!!




えー、お久しぶりです。生きてます。
携帯電話が結局原因不明と云うことで、基板交換されて手元に戻ってから20日。ようやく完成しました、第七話。
書き始めた頃は11月なので、ゲーム内の季節は秋。ヒウンアイスがぎりぎり売っている時期で良かったです。そして今は冬。この調子だと次のライモンシティに辿り着くのは春になりそう。でもこのサナレポートの場合、季節設定どうすればいいだろう。考えてなかったや。

さて、前回の番外編でスカイアローブリッジを越え、ヒウンシティに到着したサナは、観光を楽しんだ後ベルの事件に合流するという設定です。
実際の流れはヒウンジムに入ろうとするとチェレンが現れてあれこれ喋ったあとにアーティが飛び出してきて波止場に向かうように言われベルたちと合流しますが、ベルがサナに助けを求めたらなんかサナが騎士みたいになってカッコイイかなーと思いこんな展開にしました。ていうか、幼なじみを傷つけられたら誰だって怒ると思うんだ。だからサナだって、プラズマ団に今度は自分の親友を傷つけられたんだからプラズマ団を壊滅させる動機には十分なんじゃないかって。

因みにアーティの扱いがひどいのは秋雲のせいです。アーティファンの方には悪いけど、ぼくとしてはあの髪型がツタージャの最終進化形に見えて仕方ないのです。や、別にツタージャの最終進化形は嫌いじゃないのよ。ただ、ジムバトルの際のあのポーズがなんか気にくわなかったので。。。
というわけでアーティの唯一の見せ場たるこのヒウンシティのイベントは主にサナが8割、ダンサーとアイリスが1割ずつ活躍するイベントに変貌を遂げました。ここに関しては原作色ホント薄いです。

アイリスについては、ほぼシナリオ通りですが、方向音痴なのは秋雲の希望的設定です。アニメの野生性を観ているとそんなものなさそうですが、ゲームの中では普通に都会慣れしていない田舎っ子っぽい感じがしたので。
ゲームのアイリスはアニメ版よりもちょっと幼いような気がします。


最後に、予告はちょっとしたパロディです。元ネタは言わずと知れたアレです。(コレです。)
さて、では次回は「ムンちゃん奪還作戦!ゲーチスとの対峙!!」をお楽しみに。


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